最近「私ADHDなんです」「躁鬱と診断されました」
などと発表するインフルエンサーやユーチューバーを見かけませんか?私はこういった人たちを見ると、ホントに診断されたのかな、と疑ってしまいます。
今回の記事では、治療の現実とコンテンツ化された情報との間に感じる『決定的な違和感』を考察し、彼らの発信が真実なのかどうかを検証していきたいと思います。
「病名=一瞬で決まるもの」 ではない。
2023年、とあるグループ系YouTuberの1人が、体調不良を訴えてから非常に短い期間で双極性障害とパニック障害を公表していました。双極性障害の診断の難しさを知っている私にとっては、これはとても違和感を感じました。
というのも双極性障害の場合(パニック障害も)は医師は初診で明確な病名を断言しません。年月をかけて症状や薬への反応を見て診断を固めていくのが普通です。これは、他の疾患との区別(鑑別診断)を慎重に行う必要があるからです。
特に双極性障害は、うつ病と誤診されて数年を過ごすケースも多く、数ヶ月で診断が確定するのは非常に稀です。
すぐ寛解したという
2025年、とある美容系YouTuberは「自殺未遂をした」という動画をアップした半年後に「躁鬱は寛解しており、断薬している」と発表をされていました。
私はこれを聞いたとき、寛解はさすがに早すぎるだろう!と思いました。
寛解とは、精神疾患において「症状が安定した状態が一般的に2ヶ月以上続いていること」を指します。(完治とは異なります)また、寛解していても服薬は継続することが一般的だそうです。
双極性障害は慢性的な経過をたどりやすく、再発・再燃しやすい「慢性再発性疾患」。多くの患者さんが寛解に至るまでには、数年単位の治療期間が必要なのが現実です。
統合失調症を公表する人は少ない
双極性障害やADHDを公表する人たちはたくさんいるのに、統合失調症や軽度知的障害など社会的な偏見が根強い疾患を公表する人はほとんどいないんです。精神疾患をネタに動画を作る人がこんなにも沢山いるのに、変な話です。
統合失調症は「恐ろしい」「人には言えない」というイメージが根強い強い障害です。つまり、視聴者が自分ごとと捉えにくい障害なんですね。結局は、「克服した自分」「乗り越えて活躍する自分」というメージ作りがしやすい双極性障害やADHD,ASDなどがコンテンツとして選ばれているだけなんだなと思います。
まとめ
本稿では、精神疾患のリアルと、昨今の「精神疾患コンテンツ」に見られる3つの大きな違和感を考察しました。
もちろん、精神疾患を公表し、啓発に繋げている真摯な発信者もいます。しかし、中には病名を「手軽に注目を集めるためのツール」として利用し、病気の深刻さや治療の現実を都合よく簡略化しているケースがあるのも事実です。
視聴者の方々には、SNS上の情報を見る際、その発信が「啓発」なのか、それとも「エンターテイメント」**なのか、立ち止まって考えていただけたら嬉しいです。


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