障害者枠で働く前に知っておきたかった「自己理解」と「支援」の話

当時者のリアル

障害者雇用で働こうと決意したとき、不安を感じませんでしたか?「続けられるかな」「配慮を受けられるかな」さまざまな疑問が頭をよぎるでしょう。実際に働き始めてからも、これらの悩みは尽きることがありません。実際に私がそうでした。

今回は、障害者枠(精神疾患)で働いていた私の体験談を交えながら、障害者雇用で働くにあたって知っておくべき3つの注意点をご紹介します。既に働かれている方にとってもためになる情報ですので、ぜひ最後までお読みください!

※この記事は著者の体験に基づくものであり、支援内容や利用条件は自治体や事業所によって異なります。詳細は最寄りの窓口へご確認ください

1.福祉介入はできていますか?

いきなりですが、「障害者就業・生活支援センター」という支援制度をご存知でしょうか。【※参考:厚生労働省 障害者就業・生活支援センターについて】自治体によっては「〇〇市障がい者就労支援センター」といった独自名称をつけていることもあります。

ここは、一言でいうと障害のある方と企業の間に入って調整を行ってくれる機関になります。事務所での面談のほか、企業への同行・訪問をメインに行いますが、利用することで下記のようなメリットがあります。

↓こんなことをしてくれるよ↓

  • マッチング: 本人の特性を企業に説明し、無理のない働き方を企業側に提案してくれる。
  • 就業後のサポート: 仕事が始まった後、「人間関係で困っている」「体調が不安定」といった際、本人に代わって企業と話し合いをしてくれる。
  • 生活支援: 「働くためにはまず生活習慣を整えたい」といった、仕事以外の悩み(年金や生活費、余暇など)も相談できる。

私自身、「自分のことを説明するのが苦手」「仕事の調整がうまくいかない」という悩みがあり、追い込まれていた時期がありました。「自己理解」や「企業への説明」は、障害者雇用において最も難易度が高い部分だそうです。

そこで、この難しい部分をプロに任せてしまえばいいということです。相談員さんは、面談を通してあなたの「何がしんどいか」を一緒に整理し、それを企業が理解できる「ビジネス用語(配慮事項)」に翻訳してくれます。

実は企業側も「どう接していいか分からず不安」なことが多いそうです。(※私の会社の上司もそう言ってました)間に相談員がいることで、企業側は「困ったときは相談員さんに連絡してアドバイスをもらおう」という安心感を得られます。

その結果、企業側とあなたの良好な関係が築きやすくなります。

2.自己理解できてますか?

先ほど、自己理解は障害者雇用において最も難しい部分と述べました。しかし、自己理解できているかどうかは「就職活動のスタート地点」であると同時に、「働き続けるための生命線」でもあります。なのでここがしっかりしていないと、障害者雇用は一気にハードモードになってしまいます。

企業は自己理解を重視する

企業が恐れていることは、「障害があること」そのものではなく、「何が起きるか予測できないこと」です。

自己理解ができている人の例
「私は疲れが溜まるとミスが増える傾向があります。その際は10分休憩をいただければ回復します」

例えば上記のように、自己理解がしっかりできていると、企業側は安心して業務を任せることができます。配慮の仕方がわからずお互い分かり合えないまま結局離職してしまうというのが、一番悲しいですね。

とはいうものの、自己理解は障害を持っている人にとって1人ではとても難しいものです。

そこで、先ほどの支援センターの出番

「障害者就業・生活支援センター」の相談員さんは、以下のようなプロセスであなたの自己理解をサポートしてくれます。

  • 棚卸し: 前回の職場で「何がキツかったのか」を一緒に分解します。「量」が多かったのか、「指示の出方」が合わなかったのか、あるいは「音や光」などの環境か。
  • パターンの発見: 過去の経験を繋ぎ合わせ、「あなたはこういう状況で、こういうサインが出るタイプですね」と、客観的な傾向を見つけてくれます。
  • トリセツの作成: 見つかった傾向を元に、企業へ提出する「ナビゲーションブック(就労支援シート)」を一緒に作ります。

「自分で自分のことが分からない」というのは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、「私はここが分からないので、一緒に分析してほしい」と相談員に言えること自体が、立派な自己理解の第一歩です。

3.就労移行支援を使ってみて

就労移行支援は、障害を持った方の就労支援を行う障害福祉サービスです。実はこれ、企業の側が採用の際にとても重視しているサービスの一つなんです。私も面接のとき人事部長さんに「就労移行支援は検討されましたか?」と聞かれました。

私はこのサポートを受けずに障害者枠で働きましたが、正直後悔しています。私のように後悔しないよう、「なぜ就労移行支援を受けるべきか」についてお話しします。

企業側のメリット

就労移行支援に通うメリットは企業にもあります。

企業が最も恐れるのは「突然来られなくなること」です。就労移行支援に一定期間通うことで、以下のような客観的データが作成されます。

  • 安定通所: 週5日、決まった時間に休まず通えたという実績。
  • 疲労のサイン: 「木曜日になると集中力が落ちる傾向がある」といった、自分でも気づかない波の可視化。
  • リカバリー方法: 「調子が悪くなった時、どうやって持ち直したか」の成功体験。

つまり、第三者が記録した「この1年間、こういう波はありましたが、こう対処して安定していました」などという報告書を得ることができるのです。

「模擬職場」での失敗と対策

もちろん、私たち雇用される側にも就労移行支援のメリットは十二分にあります。移行支援の事業所は、いわば「いくら失敗してもクビにならない練習場」です。例えば下記のようにトライアンドエラーを重ねることができます。

  • 指示の受け方の確認: あえて曖昧な指示を出してもらい、自分がどう混乱するかを試す。
  • 相談の練習: 「キツい」と感じた瞬間に、どうやって上司に報告するかを練習する。

移行支援で事前に「どの程度の負荷で限界が来るか」をテストしていれば、面接時に「私の限界値はここなので、これ以上の業務量は配慮が必要です」と、根拠を持って伝えられます。

まとめ

以上が、障害者雇用で知っておきたい3つの注意点になります。

これらの情報はまだまだ氷山の一角で、私たち障害を持つ人たちにとって必要な支援制度がもっと沢山あります。しかし、自分からアクセスしないと見つからない構造になっているため、必要な支援が届かないのが現状です。

まずは「障害者就業・生活支援センター」に繋がることによって、そこが情報の拠点となり、あなたに代わって必要な制度を教えてくれるようになります。

頑張る必要はありません。少しずつ進んでいきましょう!!

kotokoです。双極性障害歴5年目。
適切な治療で平穏を取り戻しつつあります。
「生まれてこなければよかった」という本音を抱えながら、それでも今日をやり過ごしつつ、治療のリアルを綴ります。
好きなものは映画と漫画(とネコ)。
どこかで同じ空を見上げている仲間の力になれば幸いです。
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